おっぱいコーヒー No.272 『魚影の選曲（ホット）』 水色と灰色のグラデーション。 壁には、手描きの小さな魚と、にじむ波線。 ミッドセンチュリーのジュークボックスが、 かすかに光を漏らすカフェ。 Miss J2は白いカップを指先でくるり…

おっぱいコーヒー No.272
『魚影の選曲（ホット）』

水色と灰色のグラデーション。
壁には、手描きの小さな魚と、にじむ波線。

ミッドセンチュリーのジュークボックスが、
かすかに光を漏らすカフェ。
Miss J2は白いカップを指先でくるり、
青いネイルが湯気のリズムを刻む。

ボタンを押すたび、
淡い旋律が、胸元の鼓動を一拍だけ追い越す。
——熱いのはコーヒーだけじゃない。

ひと口。
水槽みたいな空気の中で、
選曲番号が、小さな灯台みたいに瞬いた。

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