おっぱいコーヒー No.279 『弁天橋の人波（アイス）』 真夏の午後、湘南江の島駅は人の渋滞。 改札を抜ける風も、潮の匂いで少し甘い。 Miss J2は透明のカップを指先でくるり。 ブルーのネイルを伝う水滴が、ひと粒落ちる。 ブルーのカラ…

おっぱいコーヒー No.279
『弁天橋の人波（アイス）』

真夏の午後、湘南江の島駅は人の渋滞。
改札を抜ける風も、潮の匂いで少し甘い。

Miss J2は透明のカップを指先でくるり。
ブルーのネイルを伝う水滴が、ひと粒落ちる。
ブルーのカラコンが陽をはじいて、
胸元に触れた海風で、ひと息だけ涼しくなる。

——冷たいのはコーヒーだけ。

ひと口。
弁天橋の向こうで、島の鳥居が、
陽炎みたいに揺れて見えた。

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