松原充久的ココロ

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治さない医療の現実.1

頭が痛い。医者に行き、長い時間待たされた後、わずか2分の診察。
「頭痛ですね。」
それは私もわかっている。
処方されるのは鎮痛剤と胃薬。

ここには、大きく三つの問題がある。
1. 診察時間がわずか2分
2. 「頭痛ですね」というだけの診断
3. 胃薬が処方される理由

保険診療を受けると、初診料は2,910円。その3割を患者が負担し、873円を支払う。
医療機関側は、建物や駐車場の維持費、看護師や受付スタッフの給与、医療事務の運営費など、多くのコストを抱えている。
これらを賄うため、効率よく患者を診察しなければ経営が成り立たないのが現実だ。

結果として、患者の症状をじっくり聞いたり、病気の原因を深掘りしたりする時間は取れない。
2分間の診察で「頭痛ですね」と判断し、鎮痛剤を出すのが精一杯だ。

さらに胃薬が処方されるのは、「鎮痛剤が胃を荒らす可能性があるから」という建前だが、実際には売り上げを増やすためにセットで出されることが多い。まるで「ご一緒にポテトもいかがですか?」と聞かれずに、自動的にポテトを追加されるようなものだ。

胃薬を処方するためには、保険の仕組み上、頭痛だけではなく「胃炎」という病名も付ける必要がある。こうして、頭痛患者がいつの間にか胃炎患者として扱われる不自然な仕組みが出来上がる。これを「保険病名」と呼ぶらしい。

しかし、鎮痛剤は頭痛を「治す」ものではない。痛みを一時的に緩和し、その間に自然治癒を待つだけだ。
つまり、この医療は「治さない医療」だと言える。

本当に治療を目指すなら、頭痛の原因を探り、取り除く必要がある。頭痛がいつから始まり、どんな状況で痛むのか。過去の生活や環境を遡り、原因を究明し、対処することで初めて「治す」ことが可能になる。

「治す医療」を実現するために、24時間体制で真摯に取り組んでいる。まずは仕組みから考える。

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