日本のエレベーターにおけるメーカー別キャンセル操作一覧
主要エレベーターメーカーの階数ボタン取消(キャンセル)方法一覧
一般的なエレベーターの行先階ボタンパネル(押し間違えて点灯した「4階」ボタン)です。多くのエレベーターでは、一度押した行先階ボタンをキャンセル(取消)できる機能が存在します。しかし、その有無や操作方法はメーカーや機種・設置年によって様々で、場合によってはキャンセル機能自体が搭載されていないこともありますnlab.itmedia.co.jptrafficnews.jp。以下、日本国内で一般的に見られる主要メーカー別に、行先階ボタンをキャンセルする方法をまとめます。
三菱電機 (Mitsubishi Electric)
- キャンセル機能の有無:行先取消機能は基本的にオプション扱いですが、設置主(ビルオーナー等)の要望により多くのエレベーターに搭載されていますkenzai-navi.com。標準では付いていない場合もあり、その場合は取消操作はできませんnlab.itmedia.co.jp。
- 操作方法:キャンセルしたい階のボタンを**2回連続で押す(ダブルクリック)**と、選択を取り消すことができますkenzai-navi.com。同じボタンを短時間に2度押すことでランプが消灯し、行先登録が解除されます。
- 備考:エレベーター内に「キャンセル方法」の表示はありません(意匠性やイタズラ防止の観点から未表記)kenzai-navi.comkenzai-navi.com。なお、キャンセル機能が付いていない古い機種や設定の場合、ダブルクリックしても取り消せないことがありますnlab.itmedia.co.jp。
日立製作所 (Hitachi)
- キャンセル機能の有無:基本的に近年の機種にはキャンセル機能が備わっています(取扱説明書にも記載あり)kenzai-navi.com。2006年以降に設置されたエレベーターではキャンセル機能が標準搭載されており、取消操作が可能ですnlab.itmedia.co.jp。
- 操作方法:2回連続押しによるキャンセルが標準です(2006年以降の機種)nlab.itmedia.co.jp。エレベーターによっては、ボタンの長押しでもキャンセルできるタイプも存在しますnlab.itmedia.co.jp。
- 備考:2006年以前に製造された旧式の機種では、キャンセル方法が機種によって混在していました。具体的には、ダブルクリックでキャンセルできるものと、長押しでキャンセルできるものが混在していたとのことですnlab.itmedia.co.jp。古い日立エレベーターでは一部キャンセルできないものもありますので、反応しない場合は諦めるしかないケースもあります。
東芝エレベータ (Toshiba Elevator)
- キャンセル機能の有無:2000年前後以降に製造された機種には、行先取消機能が標準搭載されていますnlab.itmedia.co.jp。それ以前の古いエレベーターや、貨物用エレベーターなどにはキャンセル機能がありませんnlab.itmedia.co.jp。
- 操作方法:同じ階のボタンを2回押すことでキャンセルします。ただし東芝の場合、最初にその階のボタンを押すとランプが点滅し、点滅している間にもう一度押すことで取消が完了しますnlab.itmedia.co.jp(実質的にはダブルクリックと同じ動作です)。正しく操作できれば、点灯していた行先ボタンが消灯します。
- 備考:上記のキャンセル操作は一般乗用エレベーターで標準化されています。東芝エレベーターの担当者によれば、必要に応じて操作方法を示すサインを設置する対応も可能とのことですが、通常はエレベーター内にキャンセル方法の表記はありませんkenzai-navi.com(取扱説明書に記載があるのみです)。古い年代の機種ではキャンセル自体できないため、その場合は誤押しに気付いても取り消し不能ですnlab.itmedia.co.jp。
フジテック (Fujitec)
- キャンセル機能の有無:フジテック製エレベーターにも行先キャンセル機能が搭載されているものがあります。現在の新しい機種では他社と同様に取消操作が可能ですが、年代や機種により方法が異なるケースがありますtrafficnews.jp。
- 操作方法:最新のフジテック製エレベーターでは、キャンセルしたい階のボタンを2回連続で押す方法が主流ですchange-your-tomorrow.com。一方、比較的古いフジテック機種では「対象階ボタンを5回連打する」ことでキャンセルする方式が知られていますnavit-j.com。実際に「5連打」での取消操作が採用されていた機種もあり、この独特な操作方法がネット上で話題になったことがありますnavit-j.com。
- 備考:フジテック製でも機種によっては扉を開けた状態でゆっくりダブルクリックする必要があるなど、操作条件に差異があるとの報告もありますtheblockofflats.com。ただし現在主流の機種では他社同様にダブルクリックでキャンセル可能であり、フジテック公式に統一された案内はありませんが、基本的には2回押しで対応できるようですchange-your-tomorrow.com。万一反応しない場合は、そのエレベーターに取消機能が無い可能性もあります。
日本オーチス・エレベータ (Nippon Otis Elevator)
- キャンセル機能の有無:オーチス製エレベーターにもキャンセル機能は一般的についているとされていますkenzai-navi.com。ただしすべての機種に搭載されているわけではなく、機能が無いエレベーターも存在しますnlab.itmedia.co.jp。また、操作方法については安全上・防犯上の理由から公には案内されていませんkenzai-navi.com。
- 操作方法:オーチス製の多くの機種では、エレベーターの扉が開いている状態でキャンセルしたい階のボタンを2回押す(ダブルクリックする)と取り消せますnlab.itmedia.co.jp。扉が閉まっている場合は、一度「開」ボタンなどでドアを再度開けてから同じ操作を行う必要がありますnlab.itmedia.co.jp。一部には「開」ボタンを押し続けながら対象階ボタンをダブルクリックする方法が紹介されることもありますがnavit-j.com、基本的には扉が開いて停止中のときに限定して有効な仕様です。
- 備考:他社と異なり、走行中や扉閉鎖中には取消操作が効かない点に注意が必要ですnlab.itmedia.co.jp。これは誤ったキャンセル操作による安全上の問題やイタズラ防止を考慮した設計とされていますnlab.itmedia.co.jpkenzai-navi.com。そのため乗り込んですぐ誤押しに気付いた場合は、一旦「開」ボタンでドアを開け直してからダブルクリックすると良いでしょう。なお、古いオーチス製エレベーターではキャンセル機能自体が搭載されていない場合もありますnlab.itmedia.co.jp。
その他のメーカー・補足
- パナソニック(松下)エレベーター:パナソニック製のエレベーター(旧松下電工など)は、行先ボタンのキャンセル機能自体がありませんnlab.itmedia.co.jp。かつて松下電工は団地向けエレベーター等も製造していましたが、新規の大型エレベーター事業からは撤退しており、現存するものは基本的に取消操作ができない設計ですnlab.itmedia.co.jp。
- シンドラーエレベータ:スイス系のシンドラー社は一時日本市場に参入していましたが、2016年に事業撤退していますchange-your-tomorrow.com(日本オーチスが事業継承)。シンドラー製エレベーターの行先キャンセル操作について公式情報は少ないものの、一般的なエレベーターと同様に2回押しで取消可能な機種もあったと推測されます。現在国内に残るシンドラー製エレベーターは保守管理会社が変更されているため、操作仕様もケースバイケースです。
- その他国内中小メーカー:上記以外にも地方独自のメーカーや後発企業のエレベーターがありますが、多くは大手メーカーから技術供与を受けているため操作体系は大手に準じる傾向がありますchange-your-tomorrow.com。一例として、京都エレベータ株式会社製のエレベーターでは該当階ボタンの長押しでキャンセルする仕様が採用されていますkyoto-elevator.com。ただし、これらも機種によって異なる可能性がありますので、基本は**「2回押し」を試し、それで反応しなければ諦める**のが無難ですnlab.itmedia.co.jp。
▼参考文献・出典:主要メーカー各社への取材記事nlab.itmedia.co.jpnlab.itmedia.co.jpnlab.itmedia.co.jpや業界ニュースtrafficnews.jp、メーカー公式回答kenzai-navi.comkenzai-navi.com、エレベーター整備会社の解説ブログkyoto-elevator.comkyoto-elevator.comなどを総合して作成しました。一部古い機種固有の情報(例:フジテック旧式機での5連打方式navit-j.com)については有志による調査ブログ等theblockofflats.comから引用しています。各メーカーとも機種や年代によって仕様が異なる場合があるためtrafficnews.jp、本一覧はあくまで一般的な傾向をまとめたものになります。具体的なエレベーターでの操作可否は、そのエレベーターの仕様に依存する点にご留意ください。
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